スライディングミットの歴史|日本とアメリカで広まった時期・文化の違い

スライディングミットの歴史|日本とアメリカで広まった時期・文化の違い

プロ野球やMLBの中継で、出塁した選手が「鍋つかみ」のような手袋を着けている姿を見たことはありませんか。

このアイテムは「スライディングミット」と呼ばれる走塁用の保護具です。日本では「走塁用手袋」「走塁手袋」「スライディング手袋」「走塁ガード手袋」と呼ばれることもあります。

現在ではMLBだけでなく、日本のプロ野球でもスライディングミットを使用する選手が増えています。

しかし、アメリカで誕生したスライディングミットが、日本で広く知られるようになるまでには長い時間がかかりました。

この記事では、スライディングミットが作られた理由、アメリカでの誕生と進化、2018年のNPBでの使用解禁、2021年の坂本勇人選手の負傷を契機とした日本での普及、そしてGOAT’D(ゴート)に代表される新しいスライディングミット文化について解説します。

スライディングミットとは?

スライディングミットとは、ヘッドスライディングや帰塁時に、指・親指・手の甲・手のひら・手首を保護するための野球用品です。

走者が手からベースへ滑り込む際には、次のようなケガが起こる可能性があります。

・指をベースに強くぶつける
・親指が地面やベースに引っかかる
・手首が不自然な方向へ曲がる
・野手のグラブや身体と接触する
・野手のスパイクで手を踏まれる
・地面との摩擦で手を傷める

以前は、バッティンググローブを着けたまま走ったり、外した手袋を手に握って指を保護したりする選手もいました。

しかし、バッティンググローブは打撃時のグリップ力やフィット感を重視した手袋であり、スライディング時の衝撃から手を守るための専用保護具ではありません。

そこで、指先から手首までをまとめて保護するアイテムとして発展したのがスライディングミットです。

スライディングミットの起源はアメリカ

現在のスライディングミットにつながる保護具は、2000年代後半のアメリカで注目され始めました。

元MLB選手のスコット・ポドセドニック選手は、スライディングの際に手を踏まれることに悩み、ハンドセラピストと協力して手を保護する道具を作った選手として知られています。

2009年ごろの写真では、パッドを入れたバッティンググローブを補強したような保護具を左手に装着していました。

そのため、ポドセドニック選手は現在のスライディングミットを生み出し、広めた先駆者の一人とされています。

ただし、最初から現在と同じミット型だったわけではありません。

初期には、バッティンググローブ、保護材、テーピングなどを組み合わせた選手独自の装備も存在しました。その後、メーカーによる改良が重ねられ、指・親指・手の甲・手のひら・手首をまとめて守る現在の形へと進化していきます。

2010年代にMLBで本格的に普及

2010年代に入ると、スライディングミットを使用するMLB選手が増えていきました。

野球選手にとって、手や指は打撃・守備・送球のすべてに関係する重要な部位です。

特に盗塁やヘッドスライディングの多い選手は、走塁中の一度の負傷によって長期間離脱する可能性があります。

そのためアメリカでは、スライディングミットがまず「選手の手を守るための実用的な保護具」として受け入れられました。

製品の進化に伴い、次のような機能も加わっていきます。

・指先を守るクッション材
・手の甲や手のひらを守るプレート
・親指の巻き込みを抑える構造
・手首の過度な曲がりを抑えるストラップ
・左右どちらの手にも装着できる設計
・出塁後に素早く装着できるミット型構造

現在のMLBでは、出塁した選手がベースコーチからスライディングミットを受け取り、片手に装着して走塁する姿も一般的になっています。

アメリカでは保護具からファッションアイテムへ進化

アメリカでのスライディングミットは、手を守るだけの保護具ではなくなりました。

初期の製品は、黒を中心としたシンプルなデザインが一般的でした。

しかし、MLBで普及するにつれて、鮮やかなカラーや大胆なグラフィックを取り入れたスライディングミットが登場します。

選手がユニフォーム、スパイク、バッティンググローブ、アームスリーブなどと組み合わせ、自分らしさを表現する野球ギアへ変化していきました。

さらに2020年代に入ると、SNSを通じてMLB選手の着用スタイルが広がり、学生野球や少年野球でもデザイン性の高いスライディングミットが注目されるようになります。

アメリカでは、手を守るための実用品として登場したスライディングミットが、およそ10年以上をかけて「安全性と自己表現を両立する野球ギア」へと進化したのです。

日本では2018年にNPBで使用解禁

日本におけるスライディングミットの歴史は、「使用が認められた時期」と「広く知られるようになった時期」を分けて考える必要があります。

NPBでは2018年5月8日から、走塁時に手を保護する「走塁ガード手袋」の使用が認められました。

当時、ロサンゼルス・エンゼルスへ移籍した大谷翔平選手が、オープン戦で右手に走塁ガード手袋を装着していたことで、日本でも注目を集めていました。

当時報じられた基準では、大きさは縦30cm以内・幅13cm以内です。

ミットの長さによって走者を有利にするものではなく、指や手首のケガを防ぐための保護具として使用することが前提となっています。

ただし、2018年にNPBで使用が認められた後も、日本人選手の間ですぐに普及したわけではありませんでした。

日本での普及を動かした坂本勇人選手の骨折

日本でスライディングミットが広く知られる大きな転機となったのが、2021年の坂本勇人選手の負傷です。

2021年5月9日、坂本選手は一塁への牽制球に対してヘッドスライディングで帰塁した際、右手親指を骨折しました。

坂本選手は、この負傷によって1か月以上の離脱を余儀なくされます。

巨人は同じような負傷を防ぐため、事故の2日後となる5月11日からスライディングミットを導入しました。

復帰後の坂本選手をはじめ、巨人の選手が塁上で使用するようになったことで、スライディングミットの存在と必要性が多くの日本人選手や野球ファンに知られるようになります。

実は、2015年ごろには日本国内でもプロ野球各球団へスライディングミットが紹介されていました。

しかし、当時はほとんど関心を持たれず、楽天時代のゼラス・ウィーラー選手など、一部の選手が使用する珍しい野球ギアという位置づけでした。

日本におけるスライディングミットの歴史を正確に整理すると、次のようになります。

2015年ごろ:国内でもプロ野球球団への紹介が始まる
2018年:大谷翔平選手の着用が注目され、NPBで使用可能になる
2021年:坂本勇人選手の骨折を契機に巨人が導入する
2021年以降:日本人選手にも存在と必要性が広く知られる

2018年は制度上の転機、2021年は日本での認知と普及における転機といえます。

アメリカと日本のスライディングミット文化の違い

アメリカと日本では、スライディングミットが普及した背景だけでなく、野球用品に対する考え方にも違いがあります。

アメリカは「安全性と自己表現」

アメリカでは、選手によるケガ対策からスライディングミットが生まれ、MLBで普及しました。

その後、さまざまなメーカーが機能やデザインを競い、現在では選手の個性を表現するアイテムとしても選ばれています。

スライディングミットだけでなく、バッティンググローブ、アームスリーブ、ヘッドバンド、スパイクなども含め、好きな色やデザインを選ぶことがアメリカの野球文化の一部になっています。

プロ選手が格好良いギアを使用し、それを見た学生や子どもたちが同じようなアイテムに憧れることで、新しい野球用品が若い世代まで広がっていきます。

日本は「必要性とルール」から普及

日本では、野球用品を選ぶ際に、機能性や大会規則との適合が重視される傾向があります。

スライディングミットについても、2018年にNPBで使用可能となり、2021年の坂本勇人選手の負傷を通して、まず「なぜ必要なのか」が知られるようになりました。

一方、アメリカのように好きなカラーやデザインで自己表現を楽しむ文化は、まだ発展の途中です。

なお、スライディングミットを使用できるかどうかは、所属団体や大会によって異なります。

2026年度の高校野球用具使用制限では、出塁時に装着する「ひとまわり大きいサイズの走塁用手袋(走塁ガード手袋)」の使用は認められていません。

少年野球、中学野球、大学野球、社会人野球、草野球についても、公式戦で使用する場合は所属連盟や大会主催者へ事前に確認してください。

日本もこれから「デザインで選ぶ」時代へ

アメリカでは、スライディングミットが登場してから、デザインを楽しむ野球ギアとして定着するまでに、およそ10年以上かかりました。

日本で本格的に知られ始めた時期を2021年と考えると、日本のスライディングミット文化はまだ始まったばかりです。

現在は「ケガを防ぐために装着する」という実用面が中心ですが、プロ野球選手の着用やSNSの影響によって、デザインを基準に選ぶ選手も増え始めています。

・ユニフォームに合わせてカラーを選ぶ
・バッティンググローブやスパイクと色を合わせる
・自分の好きなデザインを選ぶ
・他の選手とは違うデザインを使用する
・憧れの選手と同じブランドを選ぶ

こうした選び方が日本でも一般的になれば、スライディングミットは単なる保護具ではなく、選手の個性やモチベーションを表現する野球ギアになっていくでしょう。

GOAT’Dが表現する新しいスライディングミット文化

GOAT’D(ゴート)は、アメリカ発のスポーツアクセサリーブランドです。

ブランド名の由来となる「GOAT」は、「Greatest Of All Time」の頭文字で、「史上最高」という意味を持ちます。

GOAT’Dのスライディングミットは、手を保護するためのハードケース構造に加え、アメリカらしい大胆なデザインを採用していることが特徴です。

従来の黒一色を中心とした保護具とは異なり、遠くからでも分かるカラーやグラフィックによって、選手自身の個性を表現できます。

これは、アメリカのスライディングミットが歩んできた「保護具から自己表現のためのギアへ」という歴史を象徴する製品です。

CRAFT9は、GOAT’D本社から正式に認められた日本初のOfficial Authorized Retailerとして、GOAT’D製品を正規ルートで日本へ届けています。

商品は日本国内の倉庫で保管・検品し、日本語でのご案内とヤマト運輸による国内発送に対応しています。

現在では、CRAFT9からお届けしたGOAT’Dのスライディングミットを、複数の日本プロ野球選手にもご使用いただいています。

CRAFT9がGOAT’Dを取り扱う理由は、商品を輸入して販売することだけではありません。

アメリカで生まれた新しい野球文化を、正しい商品情報と安心して購入できる環境とともに、日本の選手へ届けるためです。

GOAT’Dスライディングミットの商品一覧はこちら

https://craft9.jp/products/goatd-sliding-mitt

Bat Wrapsもアメリカの野球文化から生まれたアイテム

野球用品を機能だけでなく、好きなデザインにカスタマイズする文化は、スライディングミットだけではありません。

バットのグリップ部分をカラーや柄でカスタマイズできるBat Wrapsも、アメリカのベースボール文化から生まれたアイテムです。

GOAT’Dがスライディングミットで選手の個性を表現するギアなら、Bat Wrapsは自分のバットを好きなデザインへ変えるカスタムギアです。

CRAFT9では、GOAT’DのスライディングミットやBat Wrapsを通じて、日本ではまだ十分に知られていないアメリカの野球用品と、その背景にある文化を紹介してきました。

Bat Wrapsは現在庫限りとなり、完売後の再入荷予定はありません。

スライディングミットとバットラップ。用途は異なりますが、どちらにも共通しているのは、野球用品を「与えられたもの」から「自分で選ぶもの」へ変えるアメリカの野球文化です。

スライディングミットの歴史に関するよくある質問

スライディングミットは誰が作ったのですか?

元MLB選手のスコット・ポドセドニック選手が、現在のスライディングミットを生み出し、広めた先駆者の一人として知られています。

ただし、初期には複数の選手がバッティンググローブや保護材を使って独自に手を保護していたため、現在の製品が一人の発明によって完成したと断定するのではなく、選手の工夫とメーカーによる改良によって発展したと考えるのが適切です。

日本でスライディングミットが使用可能になったのはいつですか?

NPBでは2018年5月8日から、走塁ガード手袋の使用が認められました。

ただし、日本で広く知られる転機となったのは、2021年5月に坂本勇人選手が帰塁時に右手親指を骨折し、その後、巨人がスライディングミットを導入したことです。

スライディングミットと走塁用手袋は同じものですか?

一般的には同じ種類のアイテムを指します。

日本では「スライディングミット」のほか、「走塁用手袋」「走塁手袋」「スライディング手袋」「走塁ガード手袋」など、複数の呼び方が使用されています。

スライディングミットは高校野球で使えますか?

2026年度の高校野球用具使用制限では、出塁時に装着する、ひとまわり大きいサイズの走塁用手袋は認められていません。

大会や所属団体によって規則が異なる場合があるため、公式戦で使用する前に必ず最新の規則を確認してください。

GOAT’Dのスライディングミットは日本で購入できますか?

CRAFT9は、GOAT’D本社から正式に認められた日本初のOfficial Authorized Retailerです。

日本国内に在庫を保有し、検品後、ヤマト運輸で発送しています。海外サイトから個人輸入する必要がなく、日本語で商品についてお問い合わせいただけます。

まとめ|日本のスライディングミット文化はこれから

スライディングミットは、走塁時の指や手首を守るために、アメリカで選手の工夫から発展した野球用品です。

2000年代後半に原型が注目され、2010年代にMLBで普及。2020年代には、保護性能だけでなく選手の個性を表現するファッション性の高い野球ギアへと進化しました。

日本では2018年にNPBで使用が認められましたが、その時点ですぐに広く普及したわけではありません。

2021年、坂本勇人選手が帰塁時に右手親指を骨折し、巨人がスライディングミットを導入したことが、日本での認知を大きく広げる転機となりました。

アメリカでは、実用的な保護具がデザインを楽しむアイテムになるまでに、およそ10年以上かかっています。

日本のスライディングミット文化は、まだその途中にあります。

これから日本でも、手を守るだけでなく、好きなカラーやデザインで自分らしさを表現する選手が増えていくでしょう。

GOAT’Dのスライディングミットは、その新しい文化を象徴するアイテムです。

CRAFT9は日本初のGOAT’D正規取扱店として、アメリカで生まれたスライディングミットと新しい野球の楽しみ方を、日本の選手へ正規ルートでお届けします。

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